特にコレと言った理由は思い当たらないのですが、ここ数日小さなイライラを体のあちこちに感じていました。そんな中、いつものように母がお世話になっている施設に見舞に行き、その後にその施設の中庭で持参のお弁当を食べていました。
中庭には早くも大きなクリスマス・ツリーが立てられ、サンタクロースも飾られていました。ふと気がつくと、職員さんに車椅子を押してもらっている女性の入所者がこの中庭に入りたがっていました。
私は食事も済み、その方と入れ違いになりました。すると、その女性の入所者が私の手をいきなり握りしめ、「私は秋田県なの。私の家に来て下さい。家で地酒も作っているのよ。お酒を飲みながら秋田おばこの歌もいいわよお!」と。
私は「ぜひ、お伺いしたいです。美味しいご飯を作ってくれますか?お酒もお好きなんですね!だからお肌が白くて綺麗なんですね!歌も教えてくださいね!」と。
その方は恐らく認知症なのでしょう。話しがどんどん続きます。「それじゃあ・・・」と別れようとすると、私の両手に「ちゅちゅ」とキスの嵐を。そして泣きだされました・・・。
「また会えるのだから、泣かないで下さいね!」と、職員さんのお力を頂いて施設を後にしましたが、彼女の寂しい気持ちに思いを馳せながら、私の心の中のイライラがすっかり消えていることに気がつき驚きました。その女性の私へのいちずな思いによって、私の心が癒されていたのです。
「ああ・・・愛ってすごいなあ!」と、この出逢いに心が打たれました。一月以上早いクリスマスプレゼントをこの女性から頂けたのだと、私は確実に思いました。